大原「献血」

この前、一年ぶりくらいに献血に行きやした。室内に浸透した冷房の風を身に受けながら、受付で簡単な手続きを済まして、あまり時間が経たないうちにお呼ばれました。左腕の血管に細い針が突き刺さり、繋がっていた透明の管が瞬時に濃い赤色へと染まって行く。呆然と管を流れる血をみて、妙な達成感に包まれました。なんせ自分の血液が他者の体内に入っていき、その人の体の一部となり、貢献するんですから。例えば僕が誰とも縁もなく老いたとしても、それまで献血に通っていれば種を蒔く要領で、誰かの体内に入り込めるわけですから、僕は生きた証を刻むことが出来るんです。もちろん、血液を提供するだけてあってDNAには加担できません。僕の血を輸血した人が他の人との間に子宝を授かったとしても僕の血は一滴も継がれません。でもよいではありませんか。誰かの人生の手助けになるのなら……と献血の帰りに脳内で一人語っていました。(室内で食べたしっとりソフトクッキーが美味しかった)

いつしか君がくれたように 僕もだれかの心臓になれたなら

だれかの心臓になれたなら/ユリイ・カノン