「法律が正義」

以前、僕は心斎橋の歩道脇で座っていました。そこへ1人のおじさん(40-50代)が僕の元へ近づいてきました。「あの奥の通りは御堂筋ですか?」僕はわからなかったのでスマホで調べ教えました。「ありがとう」と言い去って行き「良いことをしたな」なんて思っていました。するとそのおじさんが戻ってきました。「実は財布を無くしまして、免許証は持ってるんですが徳島から一人旅に来て買えるお金がなくなったんです」と言われました。完全に怪しいんです。良い人ほど何かがあるものなんです。「無理なら良いんですけど、ほんとに無理なら無理とおっしゃってください」。きたきた、はいはい。「徳島まで2000円あれば帰れるのですが、宜しければ貸していただけないでしょうか」。いや誰が貸すねんこんなん、返ってくるわけないやん。わかってるんです、そんなこと、わかってるのに、、、貸しちゃったんですね。電話番号は「今は携帯を止めているが、帰ったら折り返し電話する」と言われました。免許証も写真を撮って良いと言われたので、どことなく普通に困ってる人のように思えてきました。実際御礼を期待したり面白い話題になるかなとは思いました。

数日経っても連絡は来ない。電話を掛けても出ない。分かってはいたんですけど、なんかムカついてきたんです。これじゃあオチもない。一度警察に行って「こういうのってなんかならないんですか?」と聞きに行きました。警察官は嘲笑うかのように「好意で貸したんでしょう?ならそれはどうにもならないよ、裁判したら勝てるだろうけど、2000円以上他のことに金がかかっちゃうしね、脅されたり暴行されて貸したわけじゃないんでしょ?ならどうにもならないわ」。うむ、ごもっとも、ごもっともです。自分が間違っているのにもムカついたんですけど、世の中をよく分かっていなかったお前が悪いと言われているようでそこにもムカつきました。僕は思ったんです。「あー、なるほどこういうのが法の抜け穴なんだろうな」と。2000円を奪った熊田克己は僕から見れば犯罪者。警察から見ればただの一般人。自分自身を自分から見れば被害者、警察から見たらバカ。そんな世の中なんですね。なぜか悲しくなりました。

グレーゾーンをうまく活用出来る人間になる事が世の中をうまく渡り歩けるのだと思いました。ズルして生きる奴が一番なんです。卑怯なことする奴が勝つんです。

僕はそんな勝ち、欲しくもなんともないですけどね。とにかくこの世の中の勝者を称えましょうよ。

2000円を稼ぐ竹田太郎